ライブ写真のレタッチ|照明の色かぶりと暗い会場の整え方

ライブ写真のレタッチを紹介する記事のアイキャッチ。色のついた照明のステージと、写真を調整しているノートパソコン

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ライブハウスで撮った写真を見返したら、『顔が真っ赤で誰だか分からない』『暗くてざらざらしている』とがっかりしたことはありませんか。ステージの熱気をそのまま残したいのに、なかなか思うようにいかないですよね。

結論から言うと、ライブ写真のレタッチは、最初に「照明の色を残すか、戻すか」を決めるのがいちばんの近道です。そこが決まれば、色かぶり・明るさ・ノイズの順に整えるだけで、ぐっと見やすくなるんです。

この記事では、判断のしかたと、暗い会場の写真を整える手順をお伝えしますね。

目次

ライブ写真のレタッチは「照明の色を残すか戻すか」から決める

先に結論

ライブの照明の色は、演出の一部です。ステージの雰囲気を伝えたい写真は色を残し、演者の表情を見せたい写真は肌の色を戻す方向に整えます。迷った時は、その写真をどこで使うかで決めてみてください。

ふつうの写真なら、白い物が白く見えるように色を合わせますよね。ただ、ライブでは赤や青の照明そのものが見せ場なので、全部を白に戻すと熱気まで消えてしまうんです。

この記事独自の判断フローを作りました。上から順に答えていくと、どちらの方向で整えるかが決まります。

照明の色を残すか戻すかの判断フロー
  1. その写真で一番伝えたいのは、ステージの雰囲気か、演者の表情かを決める
  2. 雰囲気なら、照明の色は残し、色が強すぎて形が見えない所だけを整える
  3. 表情なら、肌の色が不自然に見えない所まで、色温度と色かぶり補正で戻す
  4. 両方を伝えたい時は、全体の色は残し、演者の顔の部分だけを少し戻す
  5. 同じ曲の写真を並べる時は、1枚目で決めた方向をほかの写真にもそろえる
ライブ写真で照明の色を残すか戻すかを、伝えたいものと使い道から判断する流れを示した図解

使い道ごとの整え方の目安

『結局どっちにすればいいの?』と迷う方も多いはずです。使い道ごとの目安を表にまとめました。

使い道おすすめの方向整える時に気をつけること
ステージ全体の雰囲気を残す記録照明の色を残す色が濃すぎて形が消えた所だけ整える
演者のアップ写真肌の色を少し戻す戻しすぎて照明の気配まで消さない
告知やSNSに載せる写真依頼元の希望に合わせる先にどんな雰囲気がいいか聞いておく
同じ公演の写真をまとめて渡す方向を全体でそろえる1枚ずつ色がばらばらにならないようにする

照明の色かぶりを整える手順

ここでの結論

照明の色かぶりは、色温度と色かぶり補正の2つで整えます。ある1色だけが強すぎる時は、HSLでその色の彩度や輝度を下げると、雰囲気を残したまま見やすくなります。

色かぶりとは、写真全体がある色に引っぱられて見える状態のことです。ステージの照明は色が強いので、ライブ写真ではとても起きやすいんです。

色温度と色かぶり補正で全体の色を整える

Lightroomの公式ヘルプでは、色温度は写真のイエロー・暖色とブルー・寒色の色合いを設定する項目と説明されています。色かぶり補正は、グリーンとマゼンタの間で色合いを調整する項目です。

全体の色を整える流れ
  1. 演者の肌や白い衣装など、色の目安にできる所を探す
  2. 色温度を少しずつ動かし、目安の所が不自然に見えない所で止める
  3. 緑っぽさや赤紫っぽさが残る時は、色かぶり補正で整える
  4. 照明の色を残したい時は、ここで戻しすぎていないかを確かめる

色の基本的な合わせ方は、ホワイトバランスと色かぶりの直し方で詳しく紹介しています。

1色だけが強すぎる時はHSLで

赤い照明が当たって、顔も衣装も真っ赤に見えることがありますよね。そんな時は、全体の色温度を大きく動かすより、赤の彩度や輝度だけを下げるほうが自然です。

Lightroomのカラーミキサーでは、色ごとに色相・彩度・輝度を調整できます。ただ、公式ヘルプには、赤の彩度を下げると写真全体の同じような赤色に影響すると書かれています。使い方はHSL・色相彩度の使い方で紹介しています。

照明の色起きやすいこと試したい調整やりすぎのサイン
赤顔が真っ赤で表情が見えないレッドの彩度や輝度を少し下げる顔色がくすんで灰色っぽくなる
青・紫肌が青白く冷たく見える色温度を暖色に少し寄せるステージ全体が黄色っぽくなる
緑肌が緑がかって見える色かぶり補正をマゼンタ側に少し寄せる全体が赤紫っぽくなる
いろいろな色が混ざる色がばらばらで落ち着かない目立つ1色だけを下げる照明の気配がなくなる
よくある失敗

赤い照明の写真を白に戻そうとして、色温度を大きく動かしてしまう。照明の色は完全には消えないので、全体が不自然な色になりがちです。強すぎる色だけを少し下げるくらいにしておきましょう。

暗い会場の明るさとノイズを整える

ここでの結論

暗い会場の写真は、先にノイズを減らしてから明るさを整えます。スポットライトが当たった所は白く飛びやすいので、ハイライトで明るい所を抑え、シャドウで暗い所を少し持ち上げます。

ライブハウスは暗いので、カメラは感度を上げて撮ることになりますよね。すると写真にざらつき、つまりノイズが出やすくなるんです。

キヤノンの写真用語集では、ISO 800程度からノイズで写真がざらつきだす、と説明されています。ライブ写真では、ノイズとうまく付き合うことが欠かせません。

ノイズは先に減らしておく

Lightroom Classicの公式ヘルプでは、AIマスクや削除などのツールを使う前に「ノイズ除去」をかけておくことがすすめられています。ディテールパネルの「ノイズ軽減」には、明るさのざらつき(輝度ノイズ)と、色の粒(カラーノイズ)を減らす項目があります。

ノイズを減らしすぎると、髪や衣装の細かい所がのっぺりしてしまいます。くわしい使い方はノイズ除去とシャープの使い方で紹介しています。

明るさは「明るい所」と「暗い所」を分けて整える

ライブ写真は、スポットライトが当たった顔はまぶしく、ステージの奥は真っ暗、という差の大きい写真になりがちです。全体の明るさだけを上げると、明るい所がさらに白く飛んでしまうんです。

写真の状態先に試したいこと確かめ方
全体が暗く、表情が見えないノイズ除去のあと、露光量を少し上げるざらつきが目立ちすぎないか
スポットライトで顔が白く飛ぶハイライトを少し下げる顔の明るい所に形が戻るか
ステージの奥が真っ暗シャドウを少し上げる暗い所のノイズが浮いてこないか
スモークで全体が白っぽいかすみの除去を少し試す照明の光の筋まで消えていないか

Lightroomの公式ヘルプでは、ハイライトを左に動かすと白とびしたハイライト部のディテールが再現される、と説明されています。明るさの整え方とヒストグラムの見方は、写真の明るさとコントラストの整え方で紹介しています。

ブレた写真は直せる?

シャープは輪郭を強調する補正で、Photoshopの公式ヘルプでは、ピントが合っていない所は直せないと説明されています。動きの速い場面の写真は、レタッチで直すより、ブレの少ない1枚を選ぶほうがきれいに仕上がります。

演者を引き立てる部分補正と、写真を使う時の気づかい

ここでの結論

演者を目立たせたい時は、マスクで演者だけを少し明るくし、周りを少し暗くします。顔立ちや体の形を変える加工はせず、写真を公開する時は演者や主催者の考えを確かめておくと安心です。

ステージ全体を明るくすると、演者が背景に埋もれてしまうことがありますよね。そんな時は、演者の部分だけに補正をかけるのが自然です。

Lightroomのマスクには「被写体を選択」や「人物を選択」があり、選んだ所だけに補正をかけられます。円形グラデーションを使うと、演者の周りだけを明るくして、外側を少し暗くすることもできます。

ライブ写真の明るさとノイズを、写真の状態ごとに整える方法をまとめた図解

人を写した写真ならではの気づかい

ライブ写真は、演者という人を写した写真でもあります。顔立ちや体の形を変える加工はせず、照明やノイズなど写りの問題を整えるところまでにとどめておきましょう。

人物写真の整え方の考え方は、人物写真のレタッチで紹介しています。

写真を使う前に確かめたいこと
  • 照明の色を残すか戻すかが、写真どうしでそろっているか
  • 顔の明るい所が白く飛んでいないか
  • ノイズを減らしすぎて、髪や衣装がのっぺりしていないか
  • 顔立ちや体の形を変える加工をしていないか
  • 公開してよいか、演者や主催者に確かめたか

文化庁の著作権テキストでは、肖像権は自分の肖像をみだりに他人に公開されない権利で、判例によって確立された権利と説明されています。撮影や公開のルールは会場や公演ごとに違うので、写真のレタッチと著作権・肖像権もあわせて読んでみてください。

よくある相談:ライブ写真のレタッチ

Yahoo!知恵袋にも、ライブ写真の撮影やレタッチについての相談が寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選んで、要点をまとめて答えますね。

相談1:ライブハウスで、きれいな写真を撮るには?

明るいレンズを使っているのに、ライブハウスだとなかなかきれいに撮れない、という相談です。

ライブハウスは暗く、照明の色も強いので、撮った時点で完璧に仕上げるのは難しいんです。撮影ではブレないことを優先し、色と明るさはレタッチで整える、と分けて考えると気持ちが楽になります。

RAWで記録できるカメラなら、あとから色温度を撮影時の設定を変えるように調整できます。照明の色が強い会場ほど、RAWで残しておくと整えやすいですよ。

相談2:ライブ撮影を頼まれたけれど、わからないことが多い

初めてライブの撮影を依頼されて、準備や仕上げで何をすればいいか分からない、という相談です。

まずは依頼してくれた人に、写真を何に使うかと、どんな雰囲気が好みかを聞いてみてください。照明の色を残すか戻すかも、使い道が分かると決めやすくなります。

渡す前に、同じ公演の写真の色や明るさがそろっているかも確かめておきましょう。1枚ごとに色がばらばらだと、まとめて見た時に落ち着かない印象になるんです。

相談3:演者の写りを、どこまで直していいか迷う

ミュージシャンのライブを撮ったけれど、演者の写りをレタッチでどこまで整えていいか悩んでいる、という相談です。

照明で顔が赤すぎる、暗くて表情が見えない、といった写りの問題は整えて大丈夫です。一方で、顔立ちや体の形を変える加工は、本人の考えを聞かずにしないほうが安心です。

『こうしたほうが喜ばれるかな』と思っても、気にする所は人によって違います。気になる時は「明るさと色だけ整えて渡しますね」と先に伝えておくと、行き違いが起きにくいですよ。

ライブ写真の撮り方と仕上げをまとめて学びたい時は

ライブ写真は、暗い会場での撮り方とレタッチの両方で、仕上がりが大きく変わります。『カメラの使い方から写真の加工まで、一度きちんと教わりたい』と感じる方もいるかもしれませんね。

本や動画、ソフトの公式チュートリアルでの独学も、十分に力がつく方法です。誰かに教わりながら進めたい時は、オンラインスクールの無料体験レッスンで、学び方が自分に合うかを確かめてみるのも1つの方法です。

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よくある質問

ライブ写真のレタッチは、スマホでもできますか?

できます。スマホの標準の写真アプリにも、明るさや色温度、彩度などの項目があります。項目の名前はアプリによって違うので、使っているアプリの公式ヘルプで確かめてみてください。

照明の色は、全部白に戻したほうがいいですか?

全部戻す必要はありません。照明の色は演出の一部なので、雰囲気を伝えたい写真は残し、表情を見せたい写真は肌の色を少し戻す、と使い分けてみてください。

ノイズを減らすと、写真がぼやけてしまいます。

ノイズを減らす補正を強くかけると、細かい所までなめらかになってしまいます。少しずつ動かして、拡大した時に髪や衣装の質感が残っているかを確かめてみてください。

たくさんの写真の色を、まとめてそろえる方法はありますか?

Lightroomには、整えた設定をプリセットとして保存して、ほかの写真に当てる機能があります。照明が変わる場面ごとに1枚ずつ見直しておくと、色のばらつきを防げます。

まとめ

この記事の要点
  • ライブ写真は、最初に照明の色を残すか戻すかを決める
  • 色かぶりは色温度と色かぶり補正、強すぎる1色はHSLで整える
  • 暗い会場の写真は、ノイズを先に減らしてから明るさを整える
  • スポットライトの白飛びはハイライト、暗い所はシャドウで整える
  • 演者を目立たせる時はマスクで部分補正し、顔立ちは変えない
  • 公開する時は、演者や主催者の考えを確かめておく
レタッチガイド

レタッチガイド 編集部

写真のレタッチ(明るさ・色の補正、肌や不要物の修正、RAW現像)のやり方と、Photoshop・Lightroomなどのソフトの選び方、レタッチの学び方を、初めての人にも分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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