レタッチと加工の違い|補正・修正・合成の境目

レタッチと加工の違いを紹介する記事のアイキャッチ。手の入れ方が少しずつ違う4枚の風景写真のプリント

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『明るさを直しただけなのに、加工って言われた…』『レタッチと加工って、どこが違うの?』と迷ったことはありませんか。人によって言葉の使い方がばらばらで、話がかみ合わないこともありますよね。

結論から言うと、レタッチと加工の違いは「写真の中身をどこまで変えるか」で考えると分かりやすくなります。この記事では、手の入れ方を「補正・修正・加工・合成」の4段階に分けて見ていきます。

読み終えると、用途ごとにどこまで手を入れてよいかの目安が分かります。

目次

レタッチと加工の違いは?辞書の意味から見る

先に結論

レタッチは、写真に手を加えて整える作業全体を指す広い言葉です。加工は、その中でも「手を加えて新しい物を作る」意味合いが強い言葉なんです。

まず、辞書の意味を見てみましょう。言葉の意味を知っておくと、人と話す時の行き違いが減ります。

言葉辞書や公式の説明の要点
レタッチ撮影した写真などの画像データを、目的にあわせて加工したり修正したりする作業
補正足りないところを補って、誤りを正すこと
修整写真で、原板・印画の傷を消したり、画像に手を加えたりすること
加工原料や素材に手を加えて新しい物を作ること
合成写真何枚かの写真や画像データを組み合わせて作った写真
現像撮影したRAW形式のデータを、専用のソフトで処理すること

辞書や富士フイルムの公式ページでは、レタッチの中に「加工」も「修正」も含まれています。つまり、レタッチは大きな箱で、加工はその中の1つと考えると分かりやすいですね。

レタッチ編集という言い方もある

写真のレタッチを「レタッチ編集」や「写真編集」と呼ぶこともあります。呼び方が違っても、写真に手を加える作業という点は同じです。

『じゃあ、どれも同じ意味なの?』と思いますよね。実は、ふだんの会話では「加工」が「写真の中身を大きく変えること」の意味で使われることが多いんです。だから、明るさを整えただけで「加工した」と言われると、少しもやっとするわけです。

現像とレタッチの違いは現像とレタッチの違いで、レタッチの全体像はレタッチとはで紹介しています。

手の入れ方は4段階:補正・修正・加工・合成

ここでの結論

写真への手の入れ方は「補正」「修正」「加工」「合成」の4段階で考えると、境目がはっきりします。右に行くほど、写真の中身が大きく変わります。

言葉の定義だけでは、実際の作業にどう当てはめるか迷いますよね。そこでこの記事では、写真の中身がどれだけ変わるかで4段階の物差しを作りました。

段階やること作業の例写真の中身
1. 補正明るさや色を整える露光量、ホワイトバランス、傾き変わらない
2. 修正一時的な物や小さな写り込みを消すホコリ、センサーのゴミ、ニキビ跡ほぼ変わらない
3. 加工形や雰囲気を大きく変える背景を強くぼかす、色を別の色に変える変わる
4. 合成別の写真を組み合わせる空の置きかえ、人や物を足す大きく変わる
写真への手の入れ方を、補正、修正、加工、合成の4段階に並べ、右に行くほど写真の中身が大きく変わることを示した図解

段階の境目で迷う例

例えば、写真の端に写った電線を消すのは「修正」でしょうか、「加工」でしょうか。電線のように小さな写り込みなら修正、建物を丸ごと消すなら加工、と考えるのが目安です。

背景をぼかすのも、わずかに整える程度なら補正に近いです。でも、撮影の時には無かったほど強くぼかすと、加工の段階に入ります。

Photoshopの機能で見るとどうなる?

ソフトの機能に当てはめてみると、4段階のイメージがつかみやすくなります。ここではPhotoshopの公式ヘルプの表記で並べました。

段階当てはまる機能の例
補正調整レイヤー(トーンカーブ・色相・彩度など)
修正スポット修復ブラシツール、修復ブラシツール
加工ゆがみ(顔立ちを調整など)
合成空を置換、複数の写真をレイヤーで重ねる

同じ機能でも、使い方しだいで段階は変わります。例えば修復ブラシで小さなゴミを消すのは修正ですが、看板の文字を丸ごと消すと加工に近づきます。

補足

段階の境目は、ソフトや人によって考え方が少しずつ違います。この物差しは「どこまで手を入れたか」を説明する時の目安として使ってみてください。

用途ごとに許される範囲の目安

ここでの結論

どこまで手を入れてよいかは、写真の用途で変わります。証明写真のように加工が認められない用途もあれば、作品づくりのように合成まで自由な用途もあるんです。

『結局、どこまでやっていいの?』と気になりますよね。用途ごとの目安を表にまとめました。

用途補正修正加工合成確かめる所
証明写真・申請写真申請先の案内で確認申請先の案内で確認不可不可申請先の写真の規定
商品写真実物に近づける範囲ホコリや傷を消す実物と違って見える物は避ける避ける実物と見比べる
記録の写真見やすくする範囲小さなゴミ程度避ける避ける起きたことが変わらないか
SNSの写真自由自由写っている人と相談合成と分かるように写っている人の同意
フォトコンテスト応募要項で確認応募要項で確認応募要項で確認応募要項で確認部門ごとの決まり
作品づくり自由自由自由自由素材の権利
用途ごとに許される手の入れ方の範囲を、証明写真、商品写真、SNS、作品づくりなどで比べた図解

同じ写真でも、用途が変われば範囲も変わる

例えば、旅行先で撮った自分の写真を考えてみましょう。SNSに載せるなら、空の色を深くしたり背景の人を消したりしても問題になりにくいですよね。

でも、その写真を申請用の顔写真に使うとなると話は別です。用途が変わったら、もう一度この表で範囲を確かめてみてください。

証明写真は加工が認められていない

証明写真は、特に気をつけたい用途です。例えば神奈川県の旅券窓口の案内では、画像を修正するなど加工処理をほどこした写真は受付できないと書かれています。

マイナンバーカードの公式サイトでも、本人確認に支障をきたす加工が施された写真は不可とされています。どこまでの補正なら受け付けられるかは書かれていないので、申請先の案内で確かめましょう。詳しくは証明写真のレタッチで紹介しています。

作品づくりは自由、でも権利には注意

作品として合成やアート表現を楽しむのは自由です。ただ、他人が撮った写真を素材に使う時は、著作権に気をつける必要があります。

文化庁の著作権テキストでは、著作物を意に反して改変されない「同一性保持権」が説明されています。他人の写真を加工する時の注意は写真のレタッチと著作権・肖像権、表現としてのレタッチはアート系レタッチとはで紹介しています。

加工しすぎないための確かめ方

ここでの結論

迷った時は「この写真を見た人が、実物や本当の場面と違うと感じないか」で考えます。用途に合わない段階まで手を入れていないかを、作業の最後に確かめましょう。

レタッチをしていると、補正のつもりがいつの間にか加工に近づいていることも。特に人物写真では、気づかないうちに顔の形まで変えてしまうことがあるんです。

仕上げる前のチェック
  • この写真の用途を確かめる
  • 補正・修正・加工・合成のどこまで手を入れたかを確かめる
  • 人物なら、輪郭やほくろなどその人らしさが変わっていないかを確かめる
  • 写っている人に、どこまで直したかを伝えられるかを確かめる
  • 他人の写真や素材を使っていないかを確かめる

人物写真は「一時的な物」と「その人らしさ」で分ける

人物のレタッチでは、ニキビ跡や寝ぐせ、服のホコリのような一時的な物は整えても自然です。一方、ほくろやしわ、輪郭はその人らしさにつながるので、本人と相談して決めましょう。

「この写真、ここまで直してもいい?」と一言聞くだけで、あとで気まずくならずに済みますよね。

よくある失敗

「少しだけ」のつもりで顔や体の形を変える機能を使ってしまう。形を変える作業は、4段階でいう加工にあたります。写っている人の同意と、用途に合っているかを確かめてからにしましょう。

AIで編集した時の記録

最近は、AIで写真の一部を消したり足したりする機能も増えています。Adobeのヘルプでは、Content Credentialsという仕組みで、写真がどう作られ、どう編集されたかの記録を書き出し時に付けられると説明されています。

ただ、この記録はファイルから外れることもあると、仕組みを作る団体の公式ページに書かれています。記録があれば本物だと証明できる、というわけではないので気をつけましょう。AIでの編集についてはAIレタッチとはで紹介しています。

よくある相談:レタッチと加工の境目

Yahoo!知恵袋にも、レタッチと加工の違いについての相談が寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選んで、要点をまとめて答えますね。

相談1:最近の写真はレタッチ、合成、修正、加工とやりたい放題で、感想に困る

見せられた写真がどこまで手を入れた物か分からず、感想に困るという相談です。

そう感じるのは自然なことです。写真の見方が「撮影の腕」なのか「仕上げの表現」なのかで、感想の言い方も変わりますよね。

迷った時は、4段階の物差しで考えてみてください。明るさや色を整えた補正なら撮影を、合成なら作品としての表現をほめる、という見方もできます。

相談2:レタッチ、加工、現像の言葉がごちゃまぜに使われていない?

レタッチ・加工・現像の用語が混乱して使われているので、正しく理解したいという相談です。

辞書では、現像はRAWデータを専用のソフトで処理すること、レタッチは画像に手を加えて加工や修正をすることと説明されています。加工は、手を加えて新しい物を作る意味です。

ただ、実際の作業では現像の中で明るさや色を整えることも多く、境目は重なっています。話す相手と「どこまで手を入れたか」をそろえておくと、行き違いが減ります。

相談3:望遠で撮った野鳥の背景を、あとからぼかすと加工っぽくなる?

野鳥の写真の背景をレタッチや加工でぼかしたら、加工っぽさが出るかという相談です。

背景を強くぼかすと、鳥の輪郭のまわりに不自然な境目が出ることがあります。特に羽毛のような細かい輪郭は、ぼかしの範囲をきれいに分けるのが難しいんです。

まずは撮影の段階で背景との距離をとるなど、撮り方で工夫するのも1つの方法です。レタッチでぼかす時は、少しずつ効かせて、等倍表示で輪郭を確かめてみてください。

写真の加工や現像をまとめて学びたい時は

4段階の物差しが分かると、『補正だけでなく、加工や合成もきちんと学びたい』と感じる方もいるかもしれませんね。公式のチュートリアルや本、動画で独学するのも良い方法です。

カメラの撮り方から写真の加工や現像までまとめて学びたい時は、オンラインスクールの無料体験レッスンで学び方を確かめてみるのも1つの選択肢です。

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よくある質問

レタッチと加工は同じ意味ですか?

辞書では、レタッチは加工や修正を含む広い言葉です。ただふだんの会話では、加工は写真の中身を大きく変える意味で使われることが多いです。

明るさを整えただけでも加工になりますか?

この記事の物差しでは、明るさや色を整えるのは「補正」で、中身は変わりません。ただし証明写真のように、補正も含めて申請先の案内を確かめたい用途もあります。

レタッチ編集と写真編集は違いますか?

ほぼ同じ意味で使われています。どちらも写真に手を加えて整える作業を指します。

商品写真はどこまでレタッチしてよいですか?

ホコリや小さな傷を消し、明るさや色を実物に近づける範囲が目安です。実物と違って見える加工は、買った人の期待とずれる原因になるので避けましょう。

合成した写真をSNSに載せてもいいですか?

自分で撮った写真なら自由です。ただ、合成だと分かるようにしておくと、見る人の誤解を防げます。他人の写真や人物が写っている場合は、権利や同意も確かめましょう。

まとめ

この記事の要点
  • レタッチは手を加えて整える作業全体で、加工はその中の1つ
  • 手の入れ方は「補正・修正・加工・合成」の4段階で考える
  • 証明写真は加工が認められず、補正の範囲も申請先の案内で確かめる
  • 商品や記録の写真は、実物や本当の場面と違って見えない範囲で
  • 人物は一時的な物を整え、その人らしさは本人と相談する
  • 他人の写真を加工する時は著作権にも気をつける
レタッチガイド

レタッチガイド 編集部

写真のレタッチ(明るさ・色の補正、肌や不要物の修正、RAW現像)のやり方と、Photoshop・Lightroomなどのソフトの選び方、レタッチの学び方を、初めての人にも分かるように整理している情報サイトです。 公式サイト

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