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友達が撮ってくれた写真や、ネットで見つけた写真をレタッチしてSNSに載せたい時、『これって勝手に加工していいの?』と不安になりますよね。著作権や肖像権という言葉は聞いたことがあっても、何がだめなのかは分かりにくいものです。
結論から言うと、写真の加工と著作権の問題は「誰が撮った写真か」「誰が写っているか」「どこで使うか」の3つを確かめれば、だいたいの場面で迷わなくなります。自分で撮って自分しか写っていない写真以外は、撮った人や写った人に一言確かめるのが基本です。
この記事では、文化庁の資料をもとに、写真を加工する時に知っておきたい権利と、確かめ方の流れを紹介しますね。
写真を加工する時に関わる権利
写真を加工する時に関わるのは、主に「撮った人の権利(著作権・著作者人格権)」と「写っている人の権利(肖像権・パブリシティ権)」の2つです。撮った人と写った人のどちらにも気を配る、と覚えておけば大丈夫です。
文化庁の著作権テキストでは、著作物の種類の1つに「写真の著作物」が挙げられていて、肖像写真・風景写真・記録写真などが例に出ています。つまり、ふだん撮る写真も、撮った人の作品として守られることがあるんです。
写真の加工に関わる権利を、文化庁のテキストの説明をもとに表にまとめました。
| 権利 | 誰の権利か | 文化庁のテキストでの説明(要約) | 加工との関わり |
|---|---|---|---|
| 翻案権 | 撮った人(著作権者) | 著作物を変形などで創作的に加工して、二次的著作物を作ることに関する権利 | 元の写真を作り変える時に関わる |
| 同一性保持権 | 撮った人(著作者) | 自分の著作物の内容や題号を、意に反して改変されない権利 | 撮った人が望まない加工に関わる |
| 肖像権 | 写っている人 | 自分の肖像をみだりに他人に公開されない権利で、プライバシー権の一種とされる | 人が写った写真を載せる時に関わる |
| パブリシティ権 | 写っている著名人 | 著名人の氏名や肖像が持つ、顧客を引きつける価値に基づく権利 | 有名人の写真を使う時に関わる |
肖像権は「法律に書かれた権利」ではない
『肖像権って法律で決まっているんでしょ?』と思う方も多いはずです。実は、文化庁のテキストでは、日本では肖像権やパブリシティ権を規定した法律はなく、判例によって確立された権利だと説明されています。
法律の条文がないから気にしなくていい、ということではありません。写っている人が嫌がる使い方をしないことが大切なんです。
著作者人格権は譲れない
撮った人の権利のうち、同一性保持権などの著作者人格権は、撮った人だけが持つ権利です。文化庁のテキストでは、著作者人格権は譲渡できないと説明されています。
一方で、著作権(財産権)は譲渡や相続ができるとされています。仕事で写真をやりとりする時は、どちらの権利の話なのかを分けて考えると分かりやすいですよ。
加工してよいかは3つの質問で確かめる
「誰が撮った写真か」「誰が写っているか」「どこで使うか」の順に確かめます。どれか1つでも自分以外の人が関わるなら、その人に一言確かめてから加工すると安心です。
権利の名前を覚えるより、確かめる順番を決めておくほうが実際には役に立ちます。ここでは、この記事で使う3つの質問を順番に見ていきますね。
- 誰が撮った写真か:自分が撮ったなら次へ。他人が撮った写真なら、撮った人に加工と使い道を確かめる
- 誰が写っているか:自分だけなら次へ。他人が写っているなら、その人に載せてよいかを確かめる
- どこで使うか:自分の手元だけか、SNSやWebで公開するか、仕事や広告で使うかを決める

質問1:誰が撮った写真か
自分で撮った写真なら、撮った人の権利は自分にあります。ただし、写真の中に他人の作品(絵やキャラクターなど)が大きく写っている時は、その作品の扱いにも気を配りましょう。
他人が撮った写真を加工する時は、撮った人に「明るさを整えてSNSに載せてもいい?」のように一言聞いておくのが基本です。ネットで見つけた写真は、撮った人が分からないことも多いので、加工して使うのは避けたほうが安心です。
質問2:誰が写っているか
人が写っている写真は、写っている人の気持ちも大切ですよね。特に顔や姿を変える加工は、本人が知らないうちにすると、トラブルになりやすいんです。
一緒に写った友達の顔は、勝手に整えたり変えたりせず、そのまま残すか本人に確かめましょう。写りを整える補正と、見た目を作り変える加工の境目は、レタッチと加工の違いで紹介しています。
質問3:どこで使うか
同じ加工でも、使う場所によって気をつける度合いは変わります。手元で見るだけの時より、SNSで公開する時、さらに仕事や広告で使う時のほうが、多くの人の目にふれますよね。
| 使う場所 | 気をつけること |
|---|---|
| 自分の手元で見るだけ | 撮った人・写った人が嫌がる使い方をしない |
| SNSやブログで公開する | 撮った人と写った人に、載せてよいかを確かめる |
| 仕事・広告・商品に使う | 使ってよい範囲を書面やメッセージで確かめておく |
『無料でダウンロードできたから自由に使える』と思い込んで、加工して商品に使ってしまう。無料の写真や素材にも、加工や使い道についての決まり(利用規約)があることがあります。使う前に、配布元の利用条件を確かめましょう。
場面別:よくあるケースの考え方
迷いやすい場面は、3つの質問に当てはめて考えます。迷った時は、撮った人・写った人に確かめるか、権利に詳しい専門家に相談しましょう。
ここでは、レタッチをしていてよく出会う場面を、3つの質問に当てはめて表にしました。法的な判断そのものではなく、確かめる時の目安として見てくださいね。
| 場面 | 誰が撮った | 誰が写っている | 確かめること |
|---|---|---|---|
| 友達に撮ってもらった自分の写真を整える | 友達 | 自分 | 友達に、加工して載せてよいか |
| 撮影会で撮ってもらった写真をレタッチする | 撮影者 | 自分と、ほかの人 | 撮影者と、一緒に写った人の了解 |
| 自分で撮った家族の写真をSNSに載せる | 自分 | 家族 | 家族に、載せてよいか |
| ネットで見つけた写真を加工して使う | 分からないことが多い | さまざま | 使うのを控えるか、利用条件を確かめる |
| 仕事で預かった写真をレタッチする | 依頼主や撮影者 | さまざま | 加工してよい範囲と使い道を書面で |
加工して作った写真は誰の物?
元の写真に新しい工夫を加えて作った物は、文化庁のテキストでは「二次的著作物」と呼ばれます。原作とは別の著作物として守られる一方で、作るには原作の著作者の了解が必要だと説明されています。
つまり、他人の写真をもとに作品を作る時は、元の写真を撮った人の了解が出発点になるんです。仕事として写真の加工を受ける時の決まりごとは、レタッチの依頼方法でも紹介しています。
AIで加工する時に知っておきたいこと
AIで加工した画像も、既存の作品と似ていて、その作品をもとに作ったと認められれば、著作権の侵害になりうると文化庁は整理しています。AIで作った画像だから一律に著作権がない、というわけではありません。
最近は、写真の一部をAIで消したり、描き足したりできるソフトが増えましたよね。文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」の概要では、生成した画像が既存の作品と似ていて(類似性)、その作品をもとにした(依拠性)と認められれば、著作権の侵害になると説明されています。
また、AIが作った物が著作物にあたるかどうかは、「AIで作ったこと」だけで一律には決まらないとされています。人が道具としてAIを使い、創作的な工夫を加えていれば著作物にあたりうる、という考え方です。
文化庁の「考え方」は、法的な拘束力を持つものではないと明記されています。仕事で使う時など判断に迷う場面では、最新の資料を確かめたうえで、専門家に相談すると安心です。AIでの補正についてはAIレタッチとはでも紹介しています。
編集の履歴を記録する「Content Credentials」
AdobeのPhotoshopなどでは、書き出す時に作成者の情報や編集の履歴を画像に付けられる「Content Credentials」という仕組みがあります。Adobeの公式ヘルプでは、コンテンツのデジタルの「成分表示」のような物だと説明されています。
ただし、これは「どう作られ、どう変更されたか」の記録で、写真の内容が本当かどうかを保証する物ではありません。仕組みを作っている団体(C2PA)のFAQでも、記録が画像から切り離されることがあると書かれています。

よくある相談|写真の加工と著作権で迷った時
Yahoo!知恵袋にも、写真の加工と著作権についての相談が寄せられています。閲覧の多い相談から3つ選んで、要点をまとめて答えますね。
写真を加工した時、その著作権は加工した人と、元の画像を作った人のどちらのものになるのか、という相談です。
文化庁のテキストでは、元の作品に新しい創作性を加えて作った物は「二次的著作物」として、元の作品とは別に守られると説明されています。ただし、二次的著作物を作るには元の作品の著作者の了解が必要で、元の作品の権利がなくなるわけではありません。
明るさを整えた程度の加工で新しい著作物になるかは、ケースによって変わります。他人の写真を加工する時は、元の写真を撮った人の了解を取っておきましょう。
写真加工アプリで自分の写真を加工して、会社のホームページなどで使うと著作権の侵害になるのか、という相談です。
自分で撮った写真なら、撮った人の権利は自分にあります。そのうえで、アプリのスタンプや素材を使った時は、その素材を仕事で使ってよいかをアプリの利用規約で確かめてください。
人が写っている写真なら、写っている人に会社のページに載せてよいかを確かめておくことも大切です。3つの質問のうち「誰が写っているか」と「どこで使うか」を、もう一度見直してみましょう。
ネットで見つけた著作権のある写真を、アプリでイラスト風に加工して使ってもよいか、という相談です。
イラスト風に作り変えるのは、元の写真を変形させて新しい物を作ることにあたりえます。文化庁のテキストでは、こうした加工で二次的著作物を作るには、元の作品の著作者の了解が必要だと説明されています。
『加工すれば別物になるから大丈夫』と考えがちですが、元の写真をもとにしていることに変わりはないんです。自分で撮った写真や、加工が認められている素材を使うようにしましょう。
写真の加工を仕事にしたい時は
権利のことを知っておくと、仕事でレタッチを受ける時にも安心ですよね。写真の補正やデザインを仕事にしたいと考え始めたら、公式のチュートリアルや本、動画で基本から練習するのも1つの道です。
Photoshopでのデザインや写真の加工を体系立てて学びたいと感じたら、オンラインスクールの無料体験レッスンで学び方を確かめてみるのも1つの方法です。
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よくある質問
自分で撮った写真なら、自由に加工していいですか?
撮った人の権利は自分にあるので、加工すること自体は自分で決められます。ただし、人が写っている写真を公開する時は、写っている人に確かめておきましょう。
肖像権は法律で決まっている権利ですか?
文化庁のテキストでは、日本では肖像権やパブリシティ権を規定した法律はなく、判例によって確立された権利だと説明されています。法律の条文がなくても、写っている人が嫌がる使い方は避けましょう。
AIで作った画像には著作権がありませんか?
文化庁の考え方では、AIで作ったことだけで一律に著作物かどうかは決まらないとされています。人がAIを道具として使い、創作的な工夫を加えていれば著作物にあたりうる、と整理されています。
有名人の写真を加工してSNSに載せてもいいですか?
有名人の写真には、撮った人の著作権に加えて、本人の肖像権やパブリシティ権が関わります。撮った人も写った人も自分ではないので、加工して載せるのは控えるのが安心です。
まとめ
- 写真の加工には、撮った人の権利と写っている人の権利の両方が関わる
- 加工してよいかは「誰が撮ったか・誰が写っているか・どこで使うか」で確かめる
- 他人の写真をもとに作品を作る時は、元の写真を撮った人の了解が必要
- 肖像権やパブリシティ権は、法律ではなく判例で確立された権利
- AIで加工した画像も、既存の作品と似ていれば著作権の侵害になりうる
レタッチという作業の全体像は、レタッチとはで紹介しています。証明写真のように、提出先の決まりがある写真の加工については証明写真のレタッチをどうぞ。





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